
白いサテンの幻影
『アリソン 85’』(1985年)ジョン・カセール
ひとつの色、ひとつの光としてだけにとどまらない白——それはある種の謎めいた概念と言えるかもしれません。
神聖なものと深く結びついているこの色は、まっさらなページや子羊(イエス・キリストの象徴)に代表されるように、すべてのはじまりの象徴でもあります。
さらには夜空にまたたく月や星、真っ白な雪のイメージとともに“高さ”をあらわす一方で、フランス王家の百合の紋章からつつましやかなマーガレットの花にいたるまで、“花”と切っても切れない色でもあります。
動物の世界に目を向けると、シロテンや一部のハト、白鳥に加えて、ユニコーンといった幻獣までもが、威厳に満ちた態度でこの色をまとっています。
また、陶器やコットン、シルクといった素材に象徴されるように、白は高貴さをあらわす色でもあります。なかでも白いシルクの糸は、16世紀からベネチアのブラーノ島にて、職人の手で美しいレースとして編み継がれてきました。
白といえば、忘れてはいけないのがウェディングドレス。1840年にヴィクトリア女王がウェディングドレスにこの色を選んで以来、欧米では「ウェディングドレス=白」のイメージが定着しました。
それから186年後の2026年、色見本帳メーカーのパントン社は、つつましさと平和の前兆として、「クラウドダンサー」というホワイトトーンを今年の色に選びました。

『白に白』(1918年)カジミール・マレーヴィチ
「私は色の限界である青いブラインドを壊し、
白の中からふたたび姿をあらわした。
私は空に浮かぶ雲や星を征服して破壊した。
そして、ひとつの鞄を作った。
その中に色を閉じ込め、紐をかたく結んだ。
あとは進むしかない!
目の前には、白と解放された深淵、
そして永遠が広がっている」
『絶対主義者の鏡』(1977年)
カジミール・マレーヴィチ
白のニュートラルな色調は、人間の五感に自由な余白——制約を気にせずに自分自身を表現できる無限の空間を与えてくれます。
ここからは、フェイスクリーム〈ポマード・ヴィルジナル〉や水性香水〈オー・トリプル〉、ソープホルダー〈ポルト・サヴォン〉と中性せっけん〈サヴォン・スゥペールファン〉、陶器のケースに収められたルームフレグランス〈アラバストル〉、ホワイトマーブルのフレグランスキャンドル〈ブジー・パルフュメ〉など、白を想起させる〈ビュリー〉のアイテムとともに、五感を刺激する比類なき“そぞろ歩き”へと出発しましょう。




